導入したサービス | 太陽光発電システム |
施工内容 | 太陽光発電(FITおよびPPA)設備設置 |
施工時期 | 2019年~2021年 |
今回は「株式会社PLANT」様と取り組んだ、太陽光発電設備の導入による電力削減の事例を紹介します。
PPAによる太陽光発電の活用で年間使用電力量の約30%を太陽光発電に置き換える事ができた高島店(滋賀県)のケースについて、店舗開発本部の林正敏さんにお話をお伺いさせていただきました。
高島店太陽光発電設備の概要
2019年2月 FITによる太陽光パネル2160枚(712.8kW)を設置
2020年3月 令和2年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」交付申請(同年10月に交付決定)
2021年2月 PPAによる太陽光パネル2016枚(685.44kW)を設置
FIT(Feed In Tariff)とは…経済産業省が取り組む再生可能エネルギーの固定価格買取制度。再生可能エネルギーから作られた電気を電力会社が固定価格で一定期間買い取ることを国が保証する制度。
PPA(Power Purchase Agreement)とは…PPA事業者が需要家の敷地などに無償で太陽光発電設備を設置、維持管理をして電気を供給する仕組み。第三者所有モデルとも呼ばれている。
お客様の事業内容
御社の事業内容をお聞かせください。
林氏:弊社はホームセンターとスーパーの機能を併せ持つ「スーパーセンター」を14府県で24店舗展開しています。衣食住のあらゆる部門を網羅した生活必需品をリーズナブルに提供するディスカウントストアとして、地域密着型の営業展開を行っています。
太陽光発電設備を導入した理由
御社では高島店を含め15店舗に太陽光発電を設置していますが、導入を推進している理由を教えてください。
林氏: 弊社はSDGsの推進にあたって「省エネ」をテーマのひとつにしており、さまざまな取り組みによって資源エネルギー庁の「省エネ優良事業者」のSランク企業に認定されています。太陽光発電設備は店舗の屋根の上を活用して再生可能エネルギーを生み出せるため、設置が可能な店舗には積極的に導入しています。
高島店の新規オープンにあたっては、どのような計画で太陽光発電設備の設置を進められたのですか?
林氏:高島店は駐車場を含めた店舗面積が1万8000㎡あり、建物部分だけでも1万2600㎡の広さがありました。屋根上もほぼ同じ面積のスペースが活用可能になるため、今回は導入実績のあった太陽光発電設備を最初から計画に組み込んで店舗設計を行いました。
AOIエネルギーソリューションに決めていただいた理由を教えていただけますか?
林氏:AOIさんとはガスやエネルギー関連のことで長年の取引があり、その流れでお声がけをさせていただきました。選ぶ決め手になったのは、価格と対応力ですね。特に対応の面では、レスポンスの速さや打ち合わせのきめ細かさが際立っていました。説明の内容も率直かつ分かりやすいこともあり、弊社の役員を含めた社内の信頼を得ていたのも大きかったと思います。
工事の規模と工期
今回はFITとPPAという異なるモデルを導入し、2度にわたる工事が行われました。工事の流れを教えてください。
林氏:これまで各店舗で導入してきた太陽光発電設備はFITが大半で、固定買取制度を利用した売電を行いたい企業様に屋根をお貸ししてきました。
高島店も当初は太陽光発電と言えばFITしか選択肢にない状況でしたので、FIT発電を行いたいAOIさんに屋根をお貸ししました。
その後、新たにPPAモデルが登場し、再生エネルギーに対して国から手厚い補助金(令和2年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)が出るという事でAOIさんからの提案を受け、1年後に追加でPPA用の太陽光発電設備の設置工事を行っていただきました。
最初は駐車場の屋根への設置を想定していましたが、AOIさんのシミュレーションから屋根に残っている約半分の面積でも自家消費には充分というアドバイスをいただき、建屋の屋根全面をパネルで覆う形にしていただきました。
福井県内の企業では御社が周囲に先駆けてPPAを導入していますが、どのような点に興味を持ちましたか?
林氏:太陽光発電設置の初期費用はPPA事業者(AOIさん)持ちで、弊社の負担がなく、導入のハードルが低いことですね。また、今回提案いただいた補助金は5分の4以上が電気料金の値下げで弊社に還元される非常に条件のいい内容だったこともあり、電気料金のコストダウンが見込めたのも魅力でした。
工事期間中の弊社の対応はいかがでしたか?
林氏:工事は事故やトラブルもなく安全に行っていただけました。工事期間中商品を納入するトラックの出入り規制の案内を出すなどの段取りをお手伝いしましたが、担当者の方たちが店長や現場のスタッフともうまくコミュニケーションをとってくださったようで、スムーズに工事を終えることができたと聞いています。
また、工事にあたって電気設備改修の必要があり、停電する必要があったのですが店舗には食品の冷蔵・冷凍設備があるため、電気を長時間止めることができませんでした。そのため事前に冷蔵・冷凍設備のメンテナンスを行っている業者さんとも調整いただき、当日は仮設電源を用意して営業終了後に工事を行うなど、こちらの事情に合わせた対応をしていただきました。
節電効果について
PPAを導入してから電気料金の削減効果はどのくらいありましたか?
林氏:2022年度の電力使用量は660,000kWでした。年間20~30%の電力をPPAでまかなえており、価格面では基本料金が20%ほど下がっています。店舗ごとの集計データを見ても、高島店の電気料金の低さが目立ちますね。最近はエネルギー価格の高騰で電気料金が驚くほど上がっていますが、上昇分を補うことができて大助かりです。土日休みの企業だと太陽光発電の割合が5~10%くらいだと聞いているので、365日営業している弊社の店舗は非常に効率がいいと思います。
節電以外にも今回の工事によるメリットはありましたか?
林氏:太陽光発電設備にはパネルで屋根全面を覆うことで建物を劣化から守り、断熱性を高めるという効果も期待できます。太陽光発電設備のパネルを全面に設置して以降、気温の影響を受けにくくなり、夏の猛暑日でも空調の需要が低くなりました。電力使用量の削減と快適に過ごせる環境の両立というメリットを実感しています。
当社を選んで良かったこと
AOIエネルギーソリューションを選んで良かったことをお聞かせください。
林氏:補助金を活用すると取得後も報告用のレポートが必要になるとお聞きしておりますがAOIさんはきちんと報告してくれていますので安心しております。
また、毎月自家消費量のレポートもいただくのですが、そちらの内容もしっかりしていますので信頼しています。
弊社の店舗は冷蔵・冷凍設備の電力が全体の6割を占めます。消費電力が大きくても商品に関わる部分を落とすことはできないので、いかに省エネを図るかが課題となっています。そのなかで太陽光発電に限らず、ガスや空調などエネルギーに関わること全般が相談でき、メンテナンスまでトータルでお任せできるAOIさんはありがたい存在です。